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インディペンデントで作り続け コアなファンが多い 映像作家  崟利子(たかしとしこ)のレーベル!!


 

1998年から国内外の映画祭やギャラリーなどで、ドキュメンタリー映画を中心に作品を発表してきた唯一無二の映像作家、崟利子。近年は、アーティストとのコラボレーション、撮影や録音スタッフとの共同作業によって精力的に映画を作り続けています。

 

最新作は、長年あたためてきた舞踊家・川村浪子さんとのコラボレーションが実現した『ゆっくりあるく』(2022)、性の多様性を子どもたちと考える活動を行う友人・田中一歩さんの話をじっくり聞く『じぶん、まる!いっぽのはなし』(2023)。

 

川村浪子さん、田中一歩さんのことをより多くの人に知ってほしいという思いから、ミニシアターでの上映や、教育機関などでの自主上映を広げるための広報・配給窓口「オポポナ」をスタート。崟利子監督の長年のファンであり、近作の制作スタッフでもあるアカリノ映画舎のメンバーが、アカリノプロジェクトとしてオポポナレーベルを一緒に盛り上げていきます。

 



作品情報


 

じぶん、まる! いっぽのはなし

 小さな頃からセクシュアリティで悩んできた田中一歩(いっぽ)さん。

 

にじいろ i-Ru(アイル)として、学校や民間団体等で、子どもたちと性の多様性から「じぶん」について考える、4歳児以上対象の出前講座「『じぶんをいきるためのるーる。』を子どもたちに届けよう!」を行っている。低年齢層の子どもたちにともいっしょに考えられるように、絵本やイラストを使い、その講座は7年間で約1000回を超える。インタビューを中心に、一歩さんの生い立ちから、現在の活動に至るまでの半生を紹介するドキュメンタリー映画。

 

 

過去の上映:神戸映画資料館、泪橋ホール

じぶんまるいっぽスチール写真

2023年/60分

監督・編集:崟利子

出演:田中一歩

撮影:小田香|録音・整音:ウエヤマトモコ

音楽:ふちがみとふなと|制作:加藤初代・若井真木子

製作:HERE & THERE 



 

ゆっくりあるく

 

― いろんなことをやったけど、歩くだけになったの ―

 

「ゆっくりあるく」という「行為」を続けるダンサーの川村浪子。かねてより川村浪子の映画を作りたいと思っていた崟利子は、2021年秋、川村が行きたかった沖縄の地を共にめぐり、今帰仁の海岸での川村のパフォーマンスとインタビューを撮影。円熟期を迎えているともいえる川村の表現と、戦争の記憶と結びついた表現者としてダンスに捧げた人生を、ドキュメンタリー映画として描く。今年84歳になった川村は、いまの自分の「行為」をみて欲しいという。

 

過去の上映:神戸映画資料館、恵比寿映像祭2024

 

ゆっくりあるくスチール写真

2022年/88分

監督:崟利子

出演:川村浪子、大熊啓、田辺知美

撮影:崟利子、加藤初代

プロデューサー:高橋章代、崟利子|編集・録音:崟利子

助監督・制作進行・スチル写真:加藤初代、若井真木子

製作:HERE & THERE



 

伊丹シリーズ

 

本作は、東京・茅場町のギャラリーマキで2005年から2013年まで17回継続した崟利子の個人上映会「季刊タカシ」のために作成され、全12作の連作となった。

 

どこにでもあるなにげない被写体がゆえに、スクリーンの中を通り過ぎる人の姿やありふれた街路をつぶさに静かに見入り、音のない映像の中で本来聴こえていた声が聞こえてくる。当時住んでいた伊丹の日常である風景を淡々とかさねていく映像には、ストーリーや特定の登場人物はいない。長いワンカットや音声のフェードアウトによって中心点は持たされない伊丹シリーズ。そこには唯一の時間と風景が映し出されている。

 

vol.1  『伊丹2005年 夏』 24分
vol.2  『伊丹2006年 冬』 21分
vol.3  『伊丹2006年 春』 26分
vol.4  『伊丹2006年 夏』 33分
vol.5  『伊丹2006年 秋-2007年冬』 45分
vol.6  『伊丹2007年 春-初夏』 39分
vol.7  『伊丹2007年 夏-秋』 25分
vol.8  『伊丹2008年 夏-秋』35分
vol.9  『伊丹2008年 冬-2009年春』 41分
vol.10『伊丹2009年 初夏-晩秋』 61分
vol.11『伊丹2009年 冬-2010年春』 52分
vol.12 『伊丹2010年 春-夏』 29分

伊丹シリーズスチール写真
伊丹シリーズスチール写真

 

監督、撮影、編集:崟利子

過去の上映:

山形国際ドキュメンタリー映画祭2013、まなび

館で連続上映。2023年東京都写真美術館で開催

された『風景論以後』で、全作品がホール上映。



 

西天下茶屋・おおいし荘

 

かつて家族で住んでいたアパートの隣人の女性たちは、四畳半の部屋に二人で暮らしていた。一人は、男の人のかっこうをしていたので、子供心に触れてはいけないもののような気がして、話をしたことがなかった。その町をカメラを持って二十数年ぶりに訪ねると、そこにはまだアパートが残っていた。そこには、まだその人たちが住んでいた。

 

過去の上映:山形国際ドキュメンタリー映画祭1999 

西天下茶屋おおいし荘スチール写真

1998年/37分)

監督・撮影・脚本・録音・編集・ナレーター: 崟利子

 



 

クロベニグンジョウシロレモン

 

世代もキャリアも異なる4人の映像作家、映画監督が、「色」をテーマに8ミリフィルムによる映像作品を制作。現代における8ミリフィルムの可能性を考察する。

 

『Lighthouse』監督:小田香 

13分/ブルーレイ(オリジナル8mm)/サウンド

ずっと昔に漁師だった父が、最近趣味で釣りをはじめ、船を買いました。日が暮れてから父に海に出てもらうと、夜の海は暗くて不安で、ビル群の航空障害灯禍々しく光っていました。

 

『アマミノクロウサギとベニテングダケ』監督:小口容子 Yoko OGUCHI

21分/ブルーレイ(オリジナル8mm)/サウンド

8ミリフィルムと音の関係性についての映画。8ミリカメラは駆動が安定しないため、別採りした音声とはビデオのようにピッタリと合わない。それを逆手に取り、役者に即興でたくさんの情報量をしゃべってもらい、発生するズレを定着させた。

 

『白々』監督:宮田靖子 

12分/8mm/サイレント

光量過多の白っぽい映像が、溶けて輪郭を失い、粒子が蠢く様は美しい。一コマずつ光を置いて移ろう光画も美しい。その撮影は祈りのようであり、バクチのようでもあったが、白い光にまみれていたいと思った。そんなフィルム。

 

『ヴァンダ12年』監督:崟利子 

11分/8mm/サイレント

初めて作った8ミリ映画の主役は、この家に越した年に植えたリスボンレモン。

苗木を買った店のおっちゃんは「そうやなあ100個は成るで」といわれたが、なかなか実らない。それでもヴァンダと名付けて毎日愛でて12年がたち、今年は23個実をつけた。

 

クロベニグンジョウシロレモンスチール写真

2024年/70分

制作:戸屋幸子

製作:HERE & THERE

過去の上映:

恵比寿映像祭2024

シネ・ヌーヴォ

神戸映画資料館

Touchable images (金沢美術工芸大学)



PROFILE


崟 利子|Takashi  Toshiko

 

大阪生まれ。福田克彦監督の助監督、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のディレクター等を経て、『オードI』『西天下茶屋・おおいし荘』を制作(1998、山形国際ドキュメンタリー映画祭1999)。『Blessed ―祝福―』(2001、山形国際ドキュメンタリー映画祭2001)は、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞受賞。2005年より東京茅場町のギャラリーマキにて新作発表上映会「季刊タカシ」、2009年から神戸映画資料館で「タカシ時間」を開催している。近作に、『Wave 踊る人』(2016、恵比寿映像祭2017)、オムニバス『BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW Omnibus2011/2016/2021』(2021、山形国際ドキュメンタリー映画祭2021)、『ゆっくりあるく』(2022)、『じぶんまる! いっぽのはなし』(2023)、8mm オムニバス『クロベニグンジョウシロレモン』(2024、恵比寿映像祭2024)がある。